両面エンボス1mmゴムシートを少量・短納期で調達した事例
2025.12.23

フェルトボードやシート製品を手がけるあるメーカー様から、少し珍しいご相談をいただきました。
施設内に設置されるモニュメントの底面に使うすべり止め材を探しているが、「両面エンボス付きで厚みは1mm」「屋内使用」「数量は少量」という条件を満たす材料が見つからない、という内容でした。
ゴムシートであれば選択肢は多そうに思えますが、実際にはエンボス付きで1mm厚となると市販規格品はほぼ存在しません。加工前提で金型を起こすほどの数量でもなく、どこに相談すればよいか分からず困っていたところ、別案件でつながりのあった当社を思い出し、ご連絡をいただいたそうです。
検討の中で着目したのは、一般的な工業用ゴムシートではなく、屋上防水用途で使われているゴムシート材料でした。この分野では、すべり止め性を確保するために両面エンボスが施され、なおかつ1mm前後という薄手仕様の製品が存在します。さらに今回は、その材料を加工業者が在庫として保有しており、少量対応が可能という条件がそろっていました。
用途は屋内のモニュメント用すべり止め材。耐候性や耐薬品性を過剰に求める必要はなく、エンボス形状による摩擦力と、施工性の良い薄さが重要でした。その点でも、この防水用ゴムシートは要求性能と非常に相性が良く、両面エンボス・1mm厚という希望条件にもぴったり合致していました。
最終的には、100mm×100mmサイズで約400枚(約4㎡分)を短納期にて納入。加工を最小限に抑えられたことで、コスト面でもご満足いただける結果となりました。
「探していた条件そのものの材料が、こんなところにあるとは思わなかった」「しかも短納期で安価に手配できた」と、大変喜んでいただけたのが印象的でした。
規格品だけを見ていると行き詰まる調達課題でも、用途や業界を少し横断して考えることで、意外な解決策が見つかることがあります。ゴムやスポンジの材料選定でお困りの際は、仕様が固まっていなくても構いません。
同様の課題があれば、お気軽にご相談ください。
