剥がせる!? ゴムスポンジ2重押出製品の特長と活用ポイント【建築現場に便利なパッキンとは】
2025.04.10

ゴム業界や建築関連の現場で重宝される「ゴムスポンジ押出製品」。
今回は、2重押出成形によって作られた画期的なゴムスポンジパッキンについてご紹介いたします。
ゴムスポンジ2重押出とは?
まず、「2重押出(ダブル押出)」とは、異なるゴム材料を同時に押出成形する技術です。
今回ご紹介する製品は、扉用の緩衝材として使われているもので、次のような構造になっています。

- 上部:丸い部分がゴムスポンジ素材
- 下部:四角いベース部分と4本の脚はソリッドゴム(実体ゴム)
このような構造にすることで、ソフトな緩衝性としっかりとした固定力を両立させています。
抜けにくい設計で取り付けも簡単
このパッキンは、扉枠などの溝に差し込むだけで固定される設計。
特に4本の脚部が「ひっかかり」となり、しっかり溝に固定されて抜けにくい構造になっています。
工具不要で簡単に取り付けられるのも嬉しいポイントです。
実は「剥がせる」!? 可変対応の便利な仕掛け
この製品の最大の特長は、一番下の部分が「剥がせる」設計になっている点です。
実際の建築現場では、取り付ける溝の深さが場所によって異なることがよくあります。
そこで、この「剥がせる層」があることで、

ここが・・・

さらに・・・。

- 深い溝にも対応
- 浅い溝にも柔軟にフィット
- 1種類の製品で複数条件に対応
といった高い汎用性が実現されているのです。
特に建築パッキンは、「新たに金型を起こすコストが高い」「現場で多少の誤差が出る」などの課題があります。
このような可変構造の押出成形品は、それらの課題を解決する非常に実用的な工夫となっています。
製造工程にも工夫あり!成形時のサポート構造とは?
ゴムの押出成形では、成形後に熱を加えて加硫という化学反応を起こし、ゴムらしい弾性を持たせます。
しかし、押出直後のゴムは粘土のように柔らかく、自重で垂れて形状を保ちにくいという特徴があります。
特に「カタカナのフ」や「ナナメ45°に立ち上がった形状」などは、加硫前に寸法が崩れてしまいやすいのです。
そこで登場するのが、「サポート構造」。
例えば、成形時に三角形の支えを一緒に押し出しておき、加硫後にその支えだけを剥がせるようにすることで、
狙った角度や形状をきちんと再現することができます。
まとめ|機能性と工夫が詰まったゴムパッキン
このように、ゴムスポンジとソリッドゴムの2重押出技術を活用することで、
高い固定力と柔軟な対応力を兼ね備えたパッキン製品が実現されています。
また、剥がせる構造や製造工程の工夫によって、現場対応力が格段に向上。
建築用パッキンや扉用の緩衝材をお探しの方には、まさにおすすめの製品です。
今後もこうした現場目線でのものづくりを積極的にご紹介していきます。
ご興味のある方はぜひお気軽にお問い合わせください!