【徹底解説】サンペルカ・PEライトに代表される化学架橋独立気泡PEフォームとは?特長・用途・加工例を写真付きで徹底解説!
2025.08.19

製品の軽量化や緩衝性・断熱性を求める現場で広く活用されている「化学架橋独立気泡ポリエチレンフォーム(以下、PEフォーム)」。
特にサンペルカやPEライトなどのブランドは、国内外で高い評価を得ています。
本記事では、PEフォームの基本情報から加工事例、使用用途、導入メリットまでを写真付きでわかりやすく解説します。
✅ 化学架橋独立気泡PEフォームとは?
PEフォームは、ポリエチレン樹脂を発泡させたフォーム材の一種。
「化学架橋」という方法で分子を強固に結合させており、耐熱性・強度・反発性が向上した素材です。
さらに、「独立気泡」構造により、気泡同士がつながらないため、以下のような特性を発揮します。
● 特長(長所)
- 軽量かつ高い緩衝性
- 優れた断熱性
- 吸水しにくく、耐水性が高い
- 加工性・接着性に優れる
- 反発性・柔軟性のバランスが良い
- 無臭・低VOCで環境対応も可
● 短所
- 高温環境では変形しやすい
- 長時間の荷重には若干のヘタリが出やすい
- 屋外での長期使用には紫外線対策が必要
🔍 代表的な製品ブランド
製品名 | メーカー | 主な特徴 |
---|---|---|
サンペルカ | 三和化工株式会社 | 発泡倍率幅広、色展開豊富、難燃グレードあり |
PEライト | イノアックコーポレーション | 導電、難燃、耐熱、連泡タイプなど多彩な仕様 |
※いずれも**JIS K6767(架橋発泡ポリエチレンシート)**に準拠。色、厚み、硬度など多様なニーズに応じて選定可能です。
✅ 選定時のチェックポイント
- 発泡倍率と密度のバランス(緩衝性・断熱性・価格感とのトレードオフ)
- 難燃・ノンハロゲン対応(航空・車載・鉄道用途では特に重要)
- 加工性(熱成型、粘着・打抜き対応など)
- 耐候性・耐薬品性(屋外や薬品環境下での使用に)
- サンプル評価や物性比較の活用(仕様決定前の質的確認がおすすめ)
🛠 主な用途と使用例 – 実例で見る選び方
◆ 建築・土木用途
トンネル凍結防止用断熱目地材、コーキングのバックアップ材としての採用例が多数あります。
◆ 緩衝材・梱包資材
通函内装、精密機器包装、ケース間仕切材など。
多彩な色・倍率で最適設計が可能です。
◆ 車載・鉄道・電子機器用途
粉体緩衝、パッキン材、クッション材などに活用。
難燃規格取得品が揃っており、安全設計にも寄与します。
◆ スポーツ・健康関連用途
ビート板、クッションマット、医療マットレス、リハビリ器具部材などで使用。
耐水性・抗菌性能を活かした使用事例もあります。
🔍特に通い箱や段取り替え頻度が多い現場では、軽くて丈夫なPEフォームの緩衝材が高評価です!
📸 実際の加工事例【弊社実績】
🔷 L字・溝加工
通い箱スペーサー用途にL型や溝形状に切削。
寸法安定性を保ち、製品の保護と荷崩れ防止に貢献。


🔷 貼り合わせ+抜き加工
厚みのあるPEフォーム数枚を貼り合わせて抜き加工。
製品ごとに形状がフィットし、緩衝設計に最適。
📌加工断面の反りが気になる場合、ウォータージェット加工材の貼り合わせも可能です。

🔷 ハーフカット+粘着加工
両面粘着テープをラミネートし、ハーフカット加工(裏紙付き)に。
貼り作業の工数短縮に効果を発揮します。

🛠 加工方法と対応設備
弊社では、以下のような加工に対応可能です:
- スライス加工(厚さ指定)
- プレス・トムソンによる抜き加工
- CNCによる3D切削
- 熱圧着・貼り合わせ加工
- 粘着加工(アクリル系・ゴム系・再剥離粘着)
📌図面がなくてもご安心ください! 寸法・用途をお知らせいただければ、最適形状をご提案します。
📘 歴史・背景:化学架橋PEフォームの発展
化学架橋PEフォームは、1970年代後半〜1980年代にかけて登場。
住宅・家電・自動車などの断熱・緩衝ニーズに応え、2000年代には難燃・帯電防止など多機能化が進展。
特にサンペルカは国内市場で長く支持され、安定供給・高品質の代表格とされています。
✅ まとめ:コスト・性能・加工性のバランスが光るPEフォーム
サンペルカやPEライトに代表される化学架橋独立気泡PEフォームは、軽量ながら高いクッション性・断熱性を持ち、あらゆる現場に応用可能な万能素材です。
加工性が高いため、抜き・切削・粘着・貼り合わせなどオーダーメイド加工にも柔軟対応できます。