ゴムスポンジ・ソリッドゴムの温度条件別・最適材質早見ガイド
2026.06.23

現場でよくあるご相談のひとつに、「この環境で使えるゴムはどれか」という温度条件に関するお問い合わせがあります。ゴムは熱や寒さにそれぞれ得意・不得意があるため、使用環境の温度に適した材質を選ぶことが、製品の寿命や安定稼働に直結します。
今回は、主要なゴム材質の耐熱・耐寒温度の目安と、ソリッド(塊状)とスポンジ(発泡体)それぞれの特性の違いを整理して解説します。
主要ゴム材質の温度特性目安
ゴムは材質ごとに分子構造が異なり、熱に耐えられる限界や、低温で硬化・脆化するタイミングが大きく変わります。以下に、一般的な連続使用の目安温度をまとめました。
| 材質 | 耐熱温度(上限目安) | 耐寒温度(下限目安) | 主な特徴 |
|---|---|---|---|
| 天然ゴム (NR) | 70℃ | -50℃〜-70℃ | 機械的強度に優れるが耐候性は低い |
| ニトリルゴム (NBR) | 100℃ | -30℃〜-40℃ | 耐油性が非常に高い |
| クロロプレンゴム (CR) | 100℃ | -40℃ | バランスが良いが低温環境下で長期間使用すると結晶化により硬化する場合あり |
| EPDMゴム | 120℃ | -40℃ | 耐候性・耐オゾン性が極めて高い |
| シリコーンゴム (Si) | 200℃〜230℃ | -50℃〜-60℃ | 広範囲の温度で安定 |
| フッ素ゴム (FKM) | 230℃〜250℃ | -20℃ | 耐熱・耐油・耐薬品の最高峰 |
| ウレタンゴム (U) | 70℃ | -30℃以下 | 耐摩耗性は高いが耐熱水性に注意 |
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※数値はあくまで目安です。配合やメーカー、使用環境の圧力などにより変動するため、選定時は必ずデータシートをご確認ください。
ソリッドゴムとスポンジの決定的な違い
現場目線で注意していただきたいのが、「ソリッド」か「スポンジ」かで、温度に対する挙動が少し異なるという点です。
1. スポンジならではの特性と弱点
スポンジは内部に気泡(セル)を持っているため、断熱性があるというメリットがあります。しかし、発泡させている分、ソリッドに比べて物理的な強度が劣ります。 特に高温域では、気泡内の空気が膨張して変形しやすくなったり、低温域では、発泡体特有の硬化がソリッドよりも早く感じられたりすることがあります。また、EPDMやシリコーンはスポンジ加工が非常に得意ですが、スポンジ材は発泡構造の影響により、高温下での寸法安定性や圧縮永久ひずみがソリッドより不利になる場合があります。
2. 環境による材質選びのポイント
- 屋外環境(耐候性重視): オゾンや日光による劣化を防ぐため、EPDMやCRが選ばれます。特に温度変化が激しい屋外では、低温でも柔軟性を保つEPDMが重宝されます。
- 高温環境(耐熱性重視): 200℃を超える環境ではシリコーン、さらなる性能を求める場合はフッ素ゴムが有力候補となります。ただし、フッ素ゴムのスポンジはコストが高く、かつ加工難易度も高いため、必要以上のスペックになっていないか検討が必要です。
- 低温環境(耐寒性重視): 冷凍庫や極寒地で使用する場合、CRは結晶化して硬くなる可能性があるため、シリコーンゴムの方が安定して弾力性を保持できます。
現場からのアドバイス
「温度条件さえ合えば大丈夫」と考えがちですが、実はゴムの選定には「温度+油・薬品・オゾン」の組み合わせが重要です。例えば、耐熱性に優れたシリコーンゴムですが、耐油性はNBRやフッ素ゴムに比べて劣ります。高温かつ油がかかる場所であれば、無理にシリコーンを使うよりも、条件に合致した他の材質で保護を検討する方が賢明な場合もあります。
調達の際は、単に温度のカタログスペックを見るだけでなく、「その温度で、どのような負荷が、どれくらいの期間かかるのか」という点まで踏まえて材質を選択することをおすすめします。迷われた際は、ぜひ導入実績の多い材質から絞り込んでみてください。
お問い合わせはこちらまで。 https://gomusponge-navi.net/contact/
