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押出成形における連続加硫と釜加硫の違いについて

2025.03.24

押出成形における連続加硫と釜加硫の違いについて

ゴムや樹脂などのエラストマーの製造において、押出成形は非常に一般的なプロセスです。押出成形された製品は、その後の加硫(架橋)プロセスを経て、最終的な物性を獲得します。

特にソリッドゴムの押出の加硫方法には、大きく分けて連続加硫と釜加硫の2種類があり、特に釜加硫は現在では製作できる業者が少なく、貴重な製造方法となります。
共ショウではそれぞれの製作方法に対応することができ、それぞれの特徴と用途があります。

連続加硫


連続加硫は、押出成形と同時に連続的に加硫を行う方法です。一般的には、押出された製品を加熱炉や熱風炉、マイクロ波加熱炉などを通過させ、連続的に加熱することで加硫を進行させます。

【連続加硫のメリット】

  • 高い生産性: 連続的に加硫を行うため、大量生産に適しています。
  • 均一な品質: 連続的に均一な加熱を行うため、品質のばらつきが少ないです。
  • コスト削減: 連続的なプロセスにより、人件費やエネルギーコストを削減できます。

【連続加硫のデメリット】

  • 形状の制約: 複雑な形状の製品には不向きな場合があります。※例えば中空のチューブ形状を作成しようとすると、自重で潰れてしまい、楕円形になってしまったり、ヒレ部分野立ち上がり角度が安定しないなどがあります。
  • 大型設備の必要性: 連続的な加硫炉が必要となるため、設備が大型化する傾向があります。

【連続加硫が適している製品】

  • 電線ケーブル
  • ホース
  • チューブ
  • 建築ガスケット

釜加硫


釜加硫は、押出成形された製品を釜(加硫缶)に入れ、蒸気や熱風で加熱して加硫する方法です。バッチ処理となるため、連続加硫に比べて生産性は劣りますが、複雑な形状の製品や少量多品種の生産に適しています。

【釜加硫のメリット】

  • 複雑な形状に対応: 複雑な形状の製品でも均一に加硫できます。※真円に近いチューブやヒレ部など、図面に近い形状を製作可能です。
  • 少量多品種生産に対応: バッチ処理のため、多品種少量生産に適しています。
  • 大型製品に対応: 大型の製品でも加硫が可能です。

【釜加硫のデメリット】

  • 低い生産性: バッチ処理のため、連続加硫に比べて生産性が劣ります。
  • 品質のばらつき: 加熱条件の管理が難しい場合、品質にばらつきが生じる可能性があります。
  • 高いコスト: バッチ処理のため、人件費やエネルギーコストが高くなる傾向があります。

【釜加硫が適している製品:】

  • 自動車部品
  • 建築用シーリング材
  • 産業用パッキン
  • 大型ゴム製品

まとめ


連続加硫と釜加硫は、それぞれにメリット・デメリットがあり、製品の形状、サイズ、生産量、品質要求などに応じて適切な方法を選択する必要があります。大量生産や均一な品質が求められる場合は連続加硫が、複雑な形状や少量多品種生産には釜加硫が適しています。
共ショウでは形状によって、これらの製造方法を使い分けることで、お客様の要望に応えることが出来ます。

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