ゴムスポンジ押出成型の特殊配合の種類

2025.03.25

ゴムスポンジ押出成型の特殊配合の種類

ゴムスポンジ押出成形の特殊配合例を簡単にまとめました。ざっと思いつく限り書き出してみましたので、漏れがあるかもしれません。

1.耐スチーム配合:
・高温高圧スチーム環境下での加水分解を抑制。
・シリコーンゴムベース。

2.耐油性配合:
・油類との接触環境で使用。
・ニトリルゴム、フッ素ゴムベース。


3.難燃性配合:
・難燃剤を配合し、燃焼性を抑制。
・クロロプレンゴム、シリコーンゴムベース。
・UL94、EN45545-2などの規格に対応。


4.低圧縮永久歪み配合:

・圧縮後の復元性を向上。
・長期間のシール性、緩衝性能を維持。


5.高発泡配合:
・軽量化、断熱性、クッション性を向上。
・コストダウンにも有効。


6.導電性配合:
・静電気対策、電磁波シールドに利用。
・カーボンブラック、金属粉などを配合。


7.絶縁性配合:
・電気絶縁が必要な場所で使用。
・シリコーンゴム、EPDMベース。


8.高強度配合:
・機械的強度、耐久性を向上。
・繊維状補強材、金属芯金などを配合。


9.建築ガスケット配合:
・建築物の気密性、水密性、耐久性を向上。
・JIS A 5756などの規格に対応。


10.着色配合:
・意匠性向上、識別用途。
・顔料、染料を配合。


11.抗菌性配合:
・細菌の繁殖を抑制。
・衛生的な環境で使用。


12.低摩擦配合:
・摺動部品、オイルシール材に利用。
・滑剤、摩擦低減剤を配合。


13.スキンレススポンジ配合:
・吸水率低下、断熱性、遮音性向上。
・特殊な発泡構造。


14.食品グレード配合:
・食品衛生法に適合。
・食品関連機器、容器に利用。


同じCR(クロロプレンゴム)やEPDM(エチレンプロピレンゴム)といった合成ゴムでも、メーカーによって配合が大きく異なる点です。そのため、物性や比重にもバラつきが生じ、プラスチックのような均一性はありません。

ゴムは、架橋(加硫)という工程を経て、初めてその真価を発揮します。架橋前の「未加硫ゴム」や「生ゴム」は、全く異なる物性を持つ状態です。また、多くの合成ゴムは白色ですが、耐候性を高めるためにカーボンを混ぜて黒色にするのが一般的です。

さらに、硫黄を使用しないゴムや、硫黄を使わない架橋技術(イオウフリー)も存在します。これは、硫黄が電子部品に悪影響を与える可能性があるためです。

【メーカーの技術力と配合の秘密】
上記以外にも、ゴムの配合には様々な種類があり、用途に合わせて細かく調整されています。これらの配合こそが、メーカーの特色や性能を表現する上で重要な要素です。

各メーカーは、長年の経験と研究開発によって培われた独自のノウハウを駆使し、物性の改善、コスト削減、効率化に取り組んでいます。

【ゴム製品選びはプロにご相談を!】
ゴム製品を選ぶ際には、用途や必要な性能を考慮し、最適な配合の製品を選ぶことが重要です。しかし、ゴムの配合は非常に複雑で、専門的な知識が必要です。

そのため、ゴム製品選びに迷ったら、ぜひ私たちのような専門家にご相談ください。長年の経験と知識に基づき、お客様のニーズに最適な製品をご提案いたします。

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