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ゴム・ゴムスポンジの寸法公差|図面設計・品質保証で押さえておくべきポイント総まとめ

2025.05.07

ゴム・ゴムスポンジの寸法公差|図面設計・品質保証で押さえておくべきポイント総まとめ

ゴムやスポンジ製品の設計・調達・品質管理において、意外と見落とされがちなのが「寸法公差」です。
金属と異なり、ゴム素材は柔軟性・変形性・環境による変化が大きいため、公差の考え方にも独自の注意点があります。

今回は、実務でよく遭遇する課題や誤解をもとに、ゴム・ゴムスポンジの寸法公差について深掘り解説していきます。


1. 図面に金属公差が記載されているケースに要注意

製品図面に「±0.1mm」など金属部品と同様の公差が指定されていることがあります。
しかし、これはゴム製品にとっては過剰品質であることが多く、以下のようなトラブルにつながります。

  • コスト増加(不良率上昇、選別費用)
  • 納期の遅延(再製作・検査)
  • 製造側の受注辞退(対応困難)

▶ 実務ポイント

図面に特に指定がない場合でも、「未記載寸法公差は金属製品に準じる」と記載されている図面が存在するため、素材に応じた適切な公差適用の再確認が必要です。


2. 成形ゴム品では ISO 3302-1 や VDI 2005 が併用されることも

● ISO 3302-1(国際規格)

ゴムの成形品の寸法公差に関する代表的な規格。
サイズ別に、M0〜M4までの精度クラスが設定されています。

  • M1:高精度用途
  • M2:標準用途(一般部品)
  • M3・M4:大型部品・精度不要品

例)10mm厚のM2等級 → ±0.8mm が許容される

● VDI 2005(ドイツ技術者協会)

ドイツの技術指針で、主に金属加工部品の形状・位置公差(GD&T)に使われます。
一部のゴム成形メーカーや加工屋では、このVDI 2005を独自の管理基準として採用
しているケースもあります。

A. 精密級(1級)公差

金型で成型されるもので、特に高い寸法精度が求められる製品に適用されます。

  • 対象:精密成形ゴム部品
  • 適用例:シール部品、機構部との嵌合部品など
  • 特徴:寸法公差が最も厳しい
  • 加圧方向における寸法公差の目安: 寸法範囲許容公差0 ~ 30 mm±0.2 mm30 ~ 180 mm±0.5 mm180 ~ 500 mm±1.0 mm

B. 中級(2級)公差

一般的なゴム成形品や、一定断面の押出製品、ゴム板から打ち抜かれる製品に適用される標準的な公差レベルです。

  • 対象:汎用金型成形品、押出品、打ち抜き品
  • 適用例:緩衝材、パッキン、ガスケットなど
  • 特徴:加工性と精度のバランスが取れたクラス

C. 粗級(3級)公差

精度を重視しない製品や、手加工を含む工程で製造される製品に適用される最も緩い公差区分です。

特徴:製造の自由度が高く、コストを抑えられる

対象:手加工品、精度不要のゴム部品

適用例:

成形後に穴加工を行う製品

精度を求めないホース

ラフな用途の緩衝ゴム など


3. 押出し成形ゴムスポンジの「長尺品」公差と注意点

● 長さのばらつきの原因

  • 押出時の発泡ムラや収縮
  • 製造後の巻き取り癖
  • カット時のテンションによる変形

● 対策:巻きを“ほどく”ことが重要

押出スポンジ材を所定寸法にカットする前には、必ず以下の手順を踏むことで精度が安定します:

  1. 巻いた状態から取り出す
  2. 自然状態で養生(テンションを抜く)
  3. テンションのない状態でカット

この工程を怠ると、製品寸法が設計値より短くなる・反りが出る・寸法ばらつきが激しくなるなどの不具合が発生しやすくなります。


4. ゴムスポンジシート原反の「厚み公差」の目安

ゴムスポンジの原反(シート材)は、スライス工程で厚みを調整しますが、発泡倍率や素材によってばらつきが大きくなります。

厚み(mm)一般的な公差(目安)
3〜10mm±0.5〜0.7mm
10〜20mm±0.7〜1.0mm
20mm以上±1.0mm〜

※ 高発泡品(軽量タイプ)はさらにばらつきやすくなります。


5. まとめ:現場視点と規格の両立が品質とコストの鍵

ゴム製品の公差管理では、「規格通りならOK」ではなく、製品の用途や工程、素材特性を理解したうえでの公差設計が必要です。

  • 設計側は「どこまでの精度が必要か
  • 製造側は「どこまでの精度が出せるか

この2つの視点をつなぐのが「寸法公差」という共通言語です。


✅ 公差設定で困ったら…

  • 成形品か押出し品かで適用規格は異なる
  • スポンジは特に温度・時間で寸法が変わる
  • まずは仕入先や加工メーカーに相談するのがベスト

図面に求めるだけでなく、現場とのすり合わせがスムーズなものづくりへの第一歩です。

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