合成ゴムの代表格！クロロプレンゴムの基礎知識と活用例

2025.05.20

クロロプレンゴム（CR）は、1931年にアメリカのデュポン社によって開発された、世界初の合成ゴムです。商品名「ネオプレン」としても知られ、天然ゴムの代替材料として開発されました。その優れた特性から、幅広い産業分野で使用されています。

優れた耐性とバランスの取れた性能
- 主な物性値（参考値）
クロロプレンゴムの短所
クロロプレンゴムの主な用途
まとめ

優れた耐性とバランスの取れた性能

クロロプレンゴムは、以下のような特性をバランスよく備えています。

耐候性・耐オゾン性：屋外での使用に適しており、長期間の使用でも劣化しにくいです。
耐熱性：高温環境下でも性能を維持します。
耐油性・耐薬品性：油や多くの化学薬品に対して優れた耐性を持ちます。
難燃性：自己消火性があり、安全性が求められる用途に適しています。
機械的強度：引張強さや弾性など、物理的な強度にも優れています。

これらの特性により、クロロプレンゴムは多様な用途で信頼性の高い素材として評価されています。

主な物性値（参考値）

特性	数値範囲
硬度（デュロA）	30～90
引張強さ（MPa）	5～25
伸び率（%）	100～800
使用温度範囲（℃）	-30～120
電気絶縁性（Ω・cm）	10¹⁰～10¹²

※上記は一般的な参考値であり、配合や製品仕様により異なる場合があります。

クロロプレンゴムの短所

クロロプレンゴムには以下のような短所もあります：

耐寒性の低さ：低温環境下では硬化しやすく、柔軟性が低下することがあります。
明色配合での変色：白色などの明るい色の製品では、時間の経過とともに変色（黄変）する可能性があります。
燃焼時の有害物質発生：焼却時に有害なガスが発生するため、廃棄処理には注意が必要です。

クロロプレンゴムの主な用途

その優れた特性から、クロロプレンゴムは以下のような分野で広く使用されています：

自動車部品：ホース、シール、ガスケットなど。
建設資材：防振ゴム、パッキン、シーリング材など。
電線・ケーブル：被覆材として。
接着剤：高い接着性を活かして。
スポーツ用品：ウェットスーツ、スポンジ製品など。

これらの用途において、クロロプレンゴムはそのバランスの取れた性能により、信頼性の高い素材として選ばれています。

まとめ

クロロプレンゴム（CR）は、その優れた耐候性、耐熱性、耐油性、難燃性などの特性から、幅広い産業分野で活用されています。特に、過酷な環境下での使用や、安全性が求められる用途において、その性能を発揮します。ただし、低温環境下での使用や、廃棄処理時には注意が必要です。用途や使用環境に応じて、最適な素材選定を行うことが重要です。

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