「屋外用ゴム」に迷ったらEPDM！おすすめ用途と理由
2025.05.22
EPDM（エチレンプロピレンジエンモノマー）ゴムは、耐候性や耐熱性に優れた合成ゴムの一種で、建築資材や自動車部品など多岐にわたる用途で使用されています。
EPDMゴムとは？
EPDMは、エチレン、プロピレン、ジエンを共重合して得られる三元共重合体の合成ゴムです。1955年にイタリアのモンテカチーニ社とG.ナッタ教授の研究グループによって開発されました。その構造上、分子中に二重結合が少ないため、耐候性や耐オゾン性に優れています。
特長と物性
長所
- 耐候性・耐オゾン性: 分子構造上、紫外線やオゾンによる劣化に強く、屋外での長期使用に適しています。
- 耐熱性: 加硫方法により異なりますが、パーオキサイド加硫では最高使用温度が150℃となり、耐熱用途での使用も可能です。
- 耐寒性: 低温下でも柔軟性を保ち、-40℃以下でも使用可能です。
- 耐薬品性: 酸、アルカリ、水、塩水に対して優れた耐性を示します。
- 電気絶縁性: 絶縁体として優れた電気的特性を持ちます。
短所
- 耐油性の低さ: 鉱物油やトルエンなどの有機溶剤に対して親和性が高く、耐油性に劣ります。
- 接着性の悪さ: 金属や他のゴムとの接着性が悪く、加工時に注意が必要です。
- 可燃性: EPDMは可燃性のゴムであり、耐炎性はありません。
物性値（参考値）
| 特性 | 値 |
|---|---|
| 硬度（デュロメータA） | 50～90 |
| 引張強さ（MPa） | 14～20 |
| 伸び（%） | 150～700 |
| 使用温度範囲（℃） | -40～150（加硫方法による） |
| 体積抵抗（Ω・cm） | 10¹²～10¹⁵ |
使用例と適用分野
- 自動車部品: 窓枠シール、ドアシール、ラジエーターホースなど。
- 建築資材: 防水シート、屋根材、外壁材など。
- 電線被覆: 電気絶縁性を活かしたケーブルの被覆材。
- 工業用ホース: スチームホース、冷却水ホースなど。
これらの用途では、EPDMの耐候性、耐熱性、耐寒性、耐薬品性が求められるため、適しています。
まとめ
EPDMゴムは、耐候性や耐熱性、耐寒性、耐薬品性に優れた合成ゴムであり、屋外環境や高温・低温環境での使用に適しています。一方で、耐油性や接着性には注意が必要です。用途に応じて、他のゴム材料との比較検討を行い、最適な選択をすることが重要です。
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