なぜ医療や食品業界で選ばれる?シリコーンゴムの実力に迫る
2025.05.24

ゴム素材の中でも特に耐熱性・耐寒性や安全性に優れ、医療や食品など幅広い分野で活躍する「シリコーンゴム」。その独特の化学構造がもたらす特性と、歴史、使いどころまで詳しく解説します。
目次
シリコーンゴムの基礎知識
1. シリコーンゴムの化学構造と特徴
シリコーンゴムは、主にケイ素(Si)と酸素(O)が結合したシロキサン結合(–Si–O–)を骨格とする合成ゴムです。この構造により、他の炭素ベースのゴムと比べて非常に安定した物性を持ちます。
- 耐熱・耐寒性が非常に高い
- 紫外線やオゾンに強く劣化しにくい
- 電気絶縁性が優れている
- 無毒で生体適合性も高い
これらの特徴が、シリコーンゴムを特殊用途に欠かせない素材としています。
2. シリコーンゴムの物性・性能
性質 | 値(代表例) | 備考 |
---|---|---|
使用温度範囲 | -55℃〜260℃(一部で305℃) | 広範な温度で安定 |
低温時の柔軟性 | -60℃以下でも柔軟 | 寒冷地や低温環境に適合 |
引張強度 | 5〜10 MPa | 他のゴムより低め |
伸び率(伸長率) | 200〜700% | 柔軟性が高い |
硬さ(ショアA) | 10〜80 | 多様な硬さで成形可能 |
電気絶縁抵抗 | 高い | 電気部品の絶縁に最適 |
耐薬品性 | 酸・アルカリ・オゾンに強い | 一部の油脂や有機溶剤は弱い |
生体適合性 | 高い | 医療機器に使われる理由 |
3. シリコーンゴムの長所と短所
長所
- 高温・低温に強い:自動車のエンジン周辺や冷凍機器など、過酷な温度条件での使用に適しています。
- 優れた耐候性・耐薬品性:紫外線やオゾンによる劣化が少なく、屋外用途に最適。
- 電気絶縁性:電子機器のシール材や絶縁体として利用。
- 安全性が高い:無毒・非刺激性で医療や食品用途に適合。
- 柔軟で伸縮性がある:衝撃吸収や密封性の確保に強み。
短所
- 機械的強度が低め:引裂強度や摩耗性は天然ゴムやNBRなどに劣るため、補強が必要なケースがある。
- 油脂や有機溶剤には弱い:エンジンオイルなどの接触には向かない。
- コストが高い:原料価格・加工コストともに高めで、大量生産では割高になる場合が多い。
- 加圧下でのスチーム(高圧蒸気)への弱さ:シリコーンゴムの主成分である「シロキサン結合(Si-O-Si)」は、高温・高湿の加圧環境下で加水分解されやすい特性があります。
シリコーンゴムの歴史と開発背景
シリコーンゴムは1940年代に電気絶縁材料として米国で開発されました。1943年にダウ・コーニング(現デュポン)社が商業生産を開始し、戦後の電子産業の発展に伴い広く使われるようになりました。1950年代以降は日本の信越化学工業やドイツのワッカー社が製造に乗り出し、世界的に普及しました。
その後は医療用の生体適合性材料や食品接触材料としての需要が増え、液状シリコーンゴム(LSR)など成形技術の進歩とともに多様な用途へ展開しています。
シリコーンゴムの代表的な用途と使いどころ
医療・食品分野
- 医療機器部品:カテーテル、シール材、医療用チューブなど無害で柔軟な材料が求められる部位に。
- 食品加工器具:ベーキングマットやシリコン製調理器具、乳首や哺乳瓶などの食品安全性が重要な製品。
電気・電子分野
- 絶縁材・シール材:電子機器の耐熱絶縁部品、配線シール、熱伝導パッドなどに利用。
- 高温環境の防護部品:発熱部の絶縁カバーや電子部品の防塵、防湿部品として。
自動車分野
- エンジン周辺のシール材・ホース:高温流体に耐える部品。
- 内装部品:柔軟性と耐熱性が活きる密封部品や防振材。
建築・工業分野
- シーラントや接着剤:外壁の目地、ガラス接着、耐候性を求められる場面。
- 防振・防音材:機械の振動吸収材や緩衝材。
シリコーンゴムの通称・略称
- 通称:シリコーンゴム、シリコンゴム(英語読み)、ケイ素ゴム
- 略称:Si(シリコーンの元素記号)、Q(JIS規格上の記号)
まとめ
シリコーンゴムは、過酷な温度環境や厳しい耐候性が求められる用途で強みを発揮する特殊ゴムです。無毒性や電気絶縁性の高さから医療・食品・電子分野での採用も多く、現代産業に欠かせない素材となっています。
ただし、機械的強度の課題や価格面もあるため、用途に応じて他のゴム素材との使い分けや補強が必要です。製品設計時には、シリコーンゴムの特性を理解し適切に選定することが重要です。
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