過酷な環境に最適!FKMの驚異的な耐久性を解説
2025.05.27

高温、強酸、オイルといった過酷な環境で長期間安定して使用できる素材——それが「フッ素ゴム(FKM)**です。
航空宇宙、自動車、化学プラント、半導体など、ハイエンドな現場に欠かせないこの高機能ゴムについて、特徴や用途、開発の歴史まで詳しくご紹介します。
フッ素ゴム(FKM)とは?
FKM(FPMとも呼ばれる)は、フッ素原子を含む合成ゴムの総称です。化学的には、「フッ化ビニリデン(VDF)」を主成分とし、他のモノマーと共重合することで得られます。最初に商業化されたのは1957年、「米国デュポン社(現ケムール社)」による「Viton®(バイトン)」です。
ISO規格ではFPM、ASTM規格ではFKMと記されます。いずれも同じフッ素系ゴムを指す名称です。
特徴・メリット(長所)
特性 | 説明 |
---|---|
✅ 耐熱性 | 約200~250℃、短時間では300℃近くにも耐えられます。 |
✅ 耐薬品性 | 酸・アルカリ・油・溶剤など広範囲な薬品に強い耐性があります。 |
✅ 耐油性 | 鉱物油・合成潤滑油・燃料油に対して優れた抵抗性。 |
✅ 耐候性・耐オゾン性 | 紫外線やオゾンによる劣化に非常に強い。 |
✅ ガス透過率が低い | 密封性能が高く、Oリングやガスケットに最適。 |
✅ 難燃性 | 自己消火性があり、燃えにくい素材です。 |
デメリット(短所)
短所 | 内容 |
---|---|
❌ 低温特性にやや難あり | 一般的なFKMは-10℃以下で硬化しやすく、柔軟性が低下します。 |
❌ 強アルカリやケトン系には不向き | NaOH、アセトン、酢酸エチルなどには劣化を起こします。 |
❌ コストが高い | 原材料価格が高く、比重も大きいため、製品全体のコストが上がりやすい。 |
主な物性・性能
性質 | 値(目安) |
---|---|
比重 | 1.80~2.00 |
硬度(JIS A) | 60~90 |
引張強さ | 70~250 kgf/cm² |
伸び | 100~300% |
使用温度範囲 | -10~+250℃(特殊品で+300℃) |
耐オゾン・紫外線 | 非常に良好 |
耐薬品性(酸・油・溶剤) | 優秀 |
電気特性 | 絶縁性は中程度 |
歴史的な開発経緯
- 1957年:デュポン社が「Viton®」として開発、航空用途向けに提供開始。
- 1970年代:自動車産業での燃料系部品に本格導入。
- 1990年代以降:多様な共重合タイプ(例えば、テトラフルオロエチレンとの共重合)や、高耐熱タイプ、低温対応グレードも登場。
- 現在:ケムール社、ダイキン工業、3M(Dyneon)、日本バイトン、東レ・デュポンなど複数メーカーが高品質グレードを展開。
推奨用途・使用例
使用分野 | 用途例 |
---|---|
🚗 自動車産業 | 燃料ホース、Oリング、バルブシール、ガスケット |
🧪 化学プラント | ポンプパッキン、フランジガスケット、シール材 |
✈️ 航空宇宙 | 高温機器のシーリング材、タービンシール |
🏭 半導体製造装置 | クリーンルーム用パッキン、耐薬品性の高い配管シール |
🍽️ 食品・医療機器 | 離型性・抽出物の少なさが必要なシール材(食品衛生法対応品あり) |
グレードの種類
グレード | 特徴・用途 |
---|---|
標準タイプ | 汎用の耐熱・耐油・耐薬品用途 |
高耐熱タイプ | +300℃付近でも長時間安定(添加剤強化タイプ) |
低温グレード | -30℃まで柔軟性を保つ(高分子構造の改良) |
食品対応グレード | FDA規格に適合し、抽出物が少ない |
通称名・略称
呼び方 | 内容 |
---|---|
FKM | ASTMによる正式略称 |
FPM | ISOやDINでの表記 |
Viton® | デュポン(ケムール社)商標 |
DAI-EL | ダイキン工業のフッ素ゴム商標 |
Technoflon® | ソルベイ社製 |
よくある質問(FAQ)
Q. FKMはなぜ高価なのですか?
A. 原料となるフッ素系化合物は合成難易度が高く、生産コストも高いためです。また、高性能を求められるため、品質管理も厳格です。
Q. FKMはシリコーンよりも優れていますか?
A. 用途によります。高温や耐薬品性ではFKMが有利ですが、低温柔軟性や食品安全性ではシリコーンの方が適しています。
まとめ
フッ素ゴム(FKM)は、他の合成ゴムとは一線を画すほどの耐熱性・耐薬品性・耐油性を持ち、まさに“ハイエンドな環境”で活躍するプロフェッショナルなゴム材質です。コストは高めですが、その性能と信頼性から、多くの産業において「替えがきかない」存在です。
選定に迷われた場合は、使用条件に応じて他の材質(NBR、EPDM、シリコーンなど)との比較検討も重要です。
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