ゴム製品の経年劣化とは?硬化・黄変・粉吹き…症状別に原因と対策を解説
2025.07.01

長年使用されたゴム製品に対し、「表面が白っぽくなってきた」「硬くて割れそう」「黄ばんで見た目が悪い」といった症状を感じたことはありませんか?こうした現象は「経年劣化」が原因で、放置すると性能低下やトラブルの引き金になります。
本記事では、実際の劣化現象を症状別に整理し、その原因と対策、そして当社が得意とする材料置き換え・試作対応例まで、わかりやすくご紹介します。
1. 🧩 経年劣化でゴムに起きる現象とは?
- 変色(黄変・褐変)
- 硬化・ひび割れ
- 粉吹き(いわゆる“ブルーム現象”)
- ベタつき / 臭い増加
2. 🔍 ゴムが劣化する原因
● 酸素・紫外線・熱・オゾンによる劣化
紫外線と酸素による光酸化により、ゴムの化学構造が断片化して脆くなる現象が代表的です 。また、オゾンによって微細な亀裂が生じるオゾンクラッキングも、屋外用途では注意が必要です 。私としても実体験として、納入してから1年程度でマンションのパッキンがオゾンクラックを起こしてしまったこともあります。
● 添加剤の移動(ブルーム現象)
老化防止剤や加硫促進剤などが表面に浮き出て白い粉や油膜を形成する“ブルーム”は、添加剤の移動に起因します 。機能への影響は少ないものの、接着工程には支障が出る場合もあります 。在庫期間が長期にわたると、ゴムが白くなっていることが多いかと思います。
画像の上のパッキンが白く粉を吹いており、典型的なブルーム現象です。

● 熱と時間による化学構造の変化
熱と酸素によって生成されるフリーラジカルが分子鎖を切断し、連鎖断裂や逆に過剰な架橋を起こして硬化します 。ゴムは熱硬化性となっているため、劣化すればするほど基本的に硬度が硬くなっていきます。
3. 🛠 症状別の対策と材質選定のポイント
症状 | 対策法 |
---|---|
黄変・褐変(黒以外の色物) | UV安定剤入り素材使用、炭素ブラック配合 |
ひび割れ | オゾン耐性ゴム(EPDM、シリコーン)への切り替え |
硬化 | 抗酸化剤の変更、耐熱素材への更新 |
ブルーム | 添加剤調整+洗浄処理、非移行添加剤使用(非移行グレード材料の使用) |
- 紫外線・オゾン耐性重視 → EPDM、シリコーン
- 硬化防止重視 → 抗酸化添加剤を最適化
- ブルーム抑制 → 滞留性の低い添加剤や洗浄処理の導入
4. 📦 事例紹介:「現場でよくある困りごと」と対応策
- 事例①:長年使用した窓周辺のシールが白く粉を吹いている
→ EPDMへの材料置き換え。ブルームを抑える配合対応で美観・性能向上。 - 事例②:外装用ゴム部品がヒビ付き硬化している
→ オゾン耐性が高いシリコーン素材へ変更し、長期耐候性を確保。 - 事例③:加硫剤のブルームで社内接着ラインが停止している
→ プロセス見直し+非移行型加硫剤の採用で接着性の改善を実現。
📩 お困りの方へ:素材選定・試作対応も承ります
ゴム劣化の多くは素材由来の問題か、使用環境とのミスマッチが原因です。
当社では、材料提案+試作評価による劣化対策支援をワンストップで提供可能です。
まずはお気軽にご相談ください。
👉[お問い合わせ | ゴム・スポンジ調達ナビ Produced by 共ショウ]より、症状や使用環境をお知らせいただければ、
最適な素材+対策案をご提案いたします。
🔑 本記事のポイントまとめ
- 光・熱・オゾンによる物理・化学的劣化が主原因
- ブルーム現象は添加剤移行によるもので、性能劣化ではないが見た目や接着に影響
- 素材選定+添加剤最適化+洗浄処理が劣化抑制の有効手段
- 当社では提案~サンプル試作まで対応可能。まずはご相談ください!