~カーボン系、銀粉系、ニッケル系の特徴とコスト・導電性能まとめ~
2025.09.18

目次
はじめに
近年の電子機器や自動車部品、産業機器では、静電気対策や電磁波シールドの必要性がますます高まっています。その中で注目される素材が「導電性ゴム」です。
ゴムの柔軟性やシール性を活かしながら、充填材によって電気を通す特性を付与できるため、ガスケットやパッキン、Oリング、接点部材など幅広い用途に採用されています。
導電性ゴムといっても種類はさまざまで、代表的なものとして カーボン系・銀粉系・ニッケル系 があり、それぞれ性能やコストが大きく異なります。本記事では、それぞれの特徴や適した用途、コストバランスをわかりやすく整理しました。
導電性ゴムとは?
導電性ゴムは、基本的にシリコーンゴムやフッ素ゴム、EPDMなどのゴム母材に導電性フィラー(カーボン、銀、ニッケルなどの粉末)を練り込んで製造されます。
こうすることで、柔らかく加工性に優れたゴムに「電気を通す」性質が加わり、以下のような効果を発揮します。
- 静電気の放電(帯電防止)
- 電磁波シールド(EMI対策)
- 電気接点の導電性確保
- 計測機器やセンサー部品の安定動作
導電性能は、どの導電材を使うか、どのくらいの割合で練り込むかによって大きく変わります。
カーボン系導電性ゴム
特徴
- 最も一般的で、古くから用いられている導電性ゴム。
- 導電材としてカーボンブラックを配合。
- 比較的低コストで入手可能。
性能
- 表面抵抗値は10⁴~10⁶Ω程度が一般的。
- 静電気対策(帯電防止)用途に十分対応。
- 電磁波シールド効果は限定的。
用途
- 電子部品搬送トレーやローラー
- 帯電防止シートやパッキン
- 工場の静電気対策品
メリット・デメリット
- ◎ コストが安い
- ◎ 加工性が良く、成形しやすい
- △ 高いシールド性能は期待できない
銀粉系導電性ゴム
特徴
- 高導電性を誇る、最も性能が高いタイプ。
- 銀粉をフィラーとして配合。
性能
- 表面抵抗値は10⁻²~10⁰Ωと非常に低い。
- EMIシールド効果が高く、軍需・宇宙・通信分野などでも採用される。
用途
- 電磁波シールド用ガスケット
- 通信機器、航空宇宙機器、医療機器
- 高周波機器の筐体接合部
メリット・デメリット
- ◎ 圧倒的な導電性能
- ◎ 信頼性が高い
- △ コストが非常に高価
- △ 銀の酸化による性能低下リスク
ニッケル系導電性ゴム
特徴
- カーボンと銀の中間的な性能を持つ。
- ニッケル粉やニッケルメッキフィラーを使用。
性能
- 表面抵抗値は10¹~10³Ω程度。
- EMIシールド効果は銀系に劣るが、カーボンより高い。
用途
- 車載電子部品のシールド
- 産業機器用パッキン
- 通信機器の防護部材
メリット・デメリット
- ◎ 銀系より安価
- ◎ 一定のシールド性能を確保可能
- △ 導電性能は銀系に及ばない
種類別の比較表
種類 | 導電性能 | コスト | 主な用途 |
---|---|---|---|
カーボン系 | 中(静電防止レベル) | 安価 | 搬送部品、帯電防止パッキン |
銀粉系 | 非常に高い | 高価 | EMIシールド、精密機器 |
ニッケル系 | 高い | 中価格帯 | 車載部品、通信機器 |
導電性ゴムの選び方
導電性ゴムを選定する際には、以下の観点が重要です。
- 必要な導電性能
- 静電気対策だけならカーボン系で十分。
- 電磁波シールドや接点用ならニッケル系・銀粉系を検討。
- コストとのバランス
- 高性能が必ずしも必要とは限らない。
- 量産品ではカーボン系、重要部品は銀粉系と使い分けが有効。
- 使用環境
- 屋外や高温環境なら耐候性・耐熱性に優れた母材(シリコーン、フッ素ゴム)を選択。
- 医療用途では金属アレルギーリスクの低い配合を考慮。
今後の業界動向
- 電動車や自動運転車の普及に伴い、車載用電子部品のシールド需要は増加。
- 5Gや次世代通信機器での高周波対策にも導電性ゴムの活躍が期待。
- 環境規制の強化により、RoHS対応やリサイクル性の高い導電性材料が求められる。
まとめ
導電性ゴムは「カーボン系」「銀粉系」「ニッケル系」の3種類が代表的で、それぞれ特徴と適した用途があります。
- コスト重視ならカーボン系
- 性能最優先なら銀粉系
- バランス重視ならニッケル系
用途やコスト、必要な性能に応じて最適な素材を選ぶことが重要です。
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