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ゴムスポンジ調達術:火で燃やしてわかる材質判別法と安全な注意点

2025.09.30

ゴムスポンジ調達術:火で燃やしてわかる材質判別法と安全な注意点

はじめに

調達や試作段階で、ゴムスポンジなどのゴム素材の「材質」が不明なことがあります。天然ゴムか合成ゴムか、あるいはどの合成ゴムか、物性や耐久性、燃えやすさに大きく影響します。専門機器があれば精密に判定できますが、コストや手間がかかるため、簡易的に「燃焼(火)」を使って材質のヒントを得る方法が業界で使われています。

この方法は「燃やす」という行為を含むため、安全・法令・作業環境に十分配慮する必要がありますが、正しく使えばゴムスポンジ調達の際の判断材料として非常に有用です。


燃焼試験によるゴム材質の判別の基本

以下、燃焼試験で観察すべき主なポイントです。

観察ポイント内容
燃えやすさ・発火のしやすさ火を近づけたらすぐ燃えるか、燃えにくいか
炎の色・形状明るい黄色、淡黄色、青み、緑がかった炎など
煙の色・量黒煙・白煙・灰色・濃さ・立ち上がり方
燃焼後の残渣(あしあと)溶けるか/ベタつくか/粉状か/白灰か
臭い焼けたゴム臭/化学薬品臭/ハロゲン臭など強烈なものあり
自己消火性火を離しても燃え続けるか、すぐ消えるか

代表的なゴム材質とその燃焼の特徴例

実際によく使われるゴム素材と、それぞれの燃焼試験での特徴の比較例を以下に示します。

ゴム素材燃焼の特徴炎・煙・残渣・臭いの傾向
天然ゴム (NR)比較的燃えやすい暗黄色~黄色の炎、黒煙多め、燃えて溶けてベタつく残渣、典型的なゴム臭あり
ニトリルゴム (NBR)燃えやすさは中程度黄色がかった炎+暗色煙、燃焼後ベタつきが残る、油っぽい・アクリル臭や燻したような感じが混じることあり
EPDM比較的燃えやすいが煙が重いことが多い黒煙・暗色の煙、燃焼後カサついた灰や焦げが残る、臭いは化学的な特有臭あり
クロロプレンゴム(CR / Neoprene)火を近づけると燃えるが自己消火性を持つことがある淡黄色~黄色の炎、煙は黒~灰黒、燃えた後硬めでざらついた焦げ残り、塩素系ハロゲン臭がすることあり
シリコーンゴム燃えにくいほう/炎になじみにくい・自己消火傾向白煙、明るい炎色(黄色白または淡色)、燃焼後には白い灰・残渣が固め・ベタつかない、臭いは比較的穏やか
フッ素ゴム (FKM等)非常に燃えにくい/火がつきにくい/燃えても自己消火性あり炎になりにくく、煙白または淡色、残渣固く焦げのみ、小さな刺激臭あり

実際の手順:燃焼試験を行うときのやり方

判断を誤らないように、以下の手順・注意点を守ることが重要です。

  1. サンプル準備
     小さな切片(数ミリ~1センチ角程度)を用意。スポンジゴムなど発泡材の場合は薄めの部分を使う。
  2. 安全対策
     換気の良い場所で行う。火元のある実験台、耐火性の皿や金属トレイを下に敷く。耐熱手袋・ゴーグルなど装備。煙・有毒ガスが出る場合があるので呼吸器保護も検討。
  3. 燃やす
     ピンセットなどで持ち、ライターや小バーナーで火を当てる。まず炎のあたりを観察し、炎色・煙の色・燃えやすさを記録。
  4. 火を離しての挙動
     火源を外した後、燃え続けるか/消えるかを確認。
  5. 残渣の観察
     燃焼した後の灰や焦げ、溶解やベタつき、硬さを触って(安全が確認された状態で)観察。
  6. 臭いのチェック(注意深く)
     燃焼時の臭いを少し嗅ぐ(安全な距離で、深呼吸しすぎないように)、塩素臭・アクリル臭など明らかに特徴的な臭いがあるかを確認。

注意点と限界

燃焼試験はあくまで「目安」であり、以下の限界があります。

  • 添加剤(難燃剤・フィラー・可塑剤など)の種類や量によって燃焼挙動が大きく変わるため、純粋なゴム種とは異なる振る舞いを示すことあり。
  • 有毒ガスや刺激性ガスが発生することがあるため、安全対策が必須。特にハロゲン系ゴムやフッ素系ゴムなどは要注意。
  • 視覚・嗅覚による判断は主観的で再現性が低い。色の見え方などで誤認しやすい。
  • 規格試験(UL94, EN45545, JIS 等)や分析機器(FTIR, GC-MS)の結果に取って代わるものではない。

終わりに:調達ナビとしての活用法

調達の現場で材質不明なゴムを扱う時、この燃焼試験を「ファーストステップ」として活用できます。判別のヒントを得て、あたりをつけた後、試験成績書の提出をサプライヤーに求めたり、精密分析を依頼したりする流れを組むと安全です。

また、材質ごとに安全性・耐熱性・耐候性・コストが大きく異なるので、「燃焼試験による材質見当」だけで発注するのはリスクがあります。用途に応じて、材質をきちんと確認することが調達での成功の鍵です。

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